時点や段階、様態を示す表現で「〜の時で・〜の段階で」のように使う。書き言葉や堅い表現で用いられることが多い(例:完成にして初めて)。
完成にして初めて、その設計の良さがわかった。
開園にして多くの人が訪れた。
逆説的に『〜でありながら/〜にもかかわらず』の意を表すことがある。こちらも書き言葉や文語的な用法。
十歳にしてすでに高度な技術を持っているとは驚きだ。
若くして成功した彼の話は人々を励ました。
『〜であると同時に〜である』という並列・累加の意味で使われることがあり、『...にして...』の形で二つの属性を併記する表現(例:教師にして作家)。
彼は教師にして作家でもある。
彼女は医者にして三児の母でもある。
やや古い用法で、場所や所在を示す『〜にある・〜である』の意味で使われることがあった(現代ではほとんど見ない)。
古い文に見る『都にして栄えたり』の用法は現在ではあまり使われない。
文語的表現として古い詩歌ににしての用法が残ることがある。