条件表現
日本語の4つの条件表現「ば・たら・と・なら」の使い分けを学びましょう。
4つの条件表現
日本語には ば・たら・と・なら の4つの条件表現があり、それぞれニュアンスが異なります。
仮定的な条件、完了した条件、自然な因果、文脈に基づく仮定など、条件の性質によって使い分けます。このページでは4つの形を並べて比較します。
ば は一般的・仮定的な条件を表します。「AならばBは当然」というニュアンスです。
- 五段動詞: 語末をえ段に変えて ば(飲む → 飲めば)
- 一段動詞: る を れば に(食べる → 食べれば)
- い形容詞: い を ければ に(安い → 安ければ)
- な形容詞/名詞: であれば または なら(ば)
制約: 後半の節には話し手の意志的な行為を置かないのが原則です。意志的な結果には たら を使います。
例文
薬を飲めば、よくなります。
安ければ、買います。
天気がよければ、富士山が見えます。
練習すれば、上手になります。
たら は最も汎用的な条件表現です。条件が完了・実現した後に結果が続くことを表します。仮定的・事実的・一回限りの状況すべてに使えます。
- 飲んだ → 飲ん だら
- 食べた → 食べ たら
- 安かった → 安かっ たら
- 静かだった → 静かだっ たら
- 学生だった → 学生だっ たら
ば と異なり、後半の節に意志的な行為を自由に置けます。また、「Aしたら、Bだった」(予想外の発見)という使い方もできます。
例文
駅に着いたら、電話してください。
安かったら、買おう。
窓を開けたら、蝶が入ってきた。
暇だったら、映画を見に行きませんか。
と は自動的で予測可能な結果を表します。Aが起きるとBが必ず起きる、という関係です。自然法則、習慣的な順序、機械的な因果に使います。
作り方: 普通形 + と(な形容詞: ~だと、名詞: ~だと)
制約: 後半の節に話し手の意志・依頼・命令は置けません。自然に起こることに使います。
例文
春になると、桜が咲きます。
このボタンを押すと、ドアが開きます。
右に曲がると、銀行があります。
食べすぎると、お腹が痛くなります。
なら は相手の発言や状況を受けて、「それならば」という条件を立てます。条件が先に起こる必要はなく、「AするならBを先にすべき」というアドバイスにも使えます。
作り方: 普通形 + なら(名詞/な形容詞の後は だ を省略可: 学生 なら、静か なら)
なら の特徴は、助言(節B)が条件(節A)より時間的に前でもよいことです。
例文
日本に行くなら、京都がおすすめです。
パソコンなら、あの店が安いですよ。
明日暇なら、一緒に出かけませんか。
分からないなら、先生に聞いたほうがいいです。
それぞれの条件表現には核となる性格があります:
- ば — 仮定的:「この条件が成り立てば、当然…」。一般的な真理や論理的帰結に最適。意志的な結果は避ける。
- たら — 完了:「これが起きたら、その後…」。最も安全な万能選択。ほぼどんな状況でも使える。
- と — 自動:「これが起きると、いつもそうなる」。自然法則、道案内、習慣的な順序に。意志的な結果は不可。
- なら — 文脈:「それなら…」。相手の発言を受けて使う。助言は条件より時間的に前でもよい。
迷ったら たら がほぼ常に使えます。
例文
雨が降れば、試合は中止です。
雨が降ったら、試合は中止です。
春になると、暖かくなります。
春になれば、暖かくなります。
東京に行くなら、スカイツリーに行ってみて。
東京に行ったら、スカイツリーに行ってみて。
4つの条件表現はすべて、動詞だけでなく形容詞・名詞にも使えます:
- ば: 安 ければ / たら: 安 かったら / と: 安い と / なら: 安い なら
- ば: 静か であれば / たら: 静か だったら / と: 静か だと / なら: 静か なら
- ば: 雨 であれば / たら: 雨 だったら / と: 雨 だと / なら: 雨 なら
例文
安ければ買います。安かったら買います。
静かなら、この部屋で勉強できます。
雨だったら、家にいます。
学生であれば、割引があります。